≪地区福祉組織実務担当者視察研修会 所感≫

     11月ごろに開催を予定していたこの研修会を、いつごろ開催するか迷いながら、今回の開催となった。どこのコミュニティセンターも当会と同じく、秋に予定していた事業が後送りにされて忙しい中、9名が参加してくださった。少人数で残念であったが、グループをわけずに全体で同じ話ができたという点ではよかった。

     実務担当者と会うと、よく愚痴がきかれる。それは私自身も含めてで、愚痴ばかり言っていても何も変わらないと思いつつ、言うべきときに言わないとどこかにひずみがでてくる。人の愚痴をきいていると(第三者からみていると)、その中に解決のヒントがあるのになぁと思うことが日々あり、ちょっとした思いつきで、今回のプログラムを企画した。それは、日常的な会話の中に、いつもアイデアは転がっているということを感じてもらいたかったのだが、「愚痴を思い切って言っていい」ということが、こんなにもめずらしい機会だったのかということに驚いた。

     どなたかのふりかえりシートにもあったように、人のせいにしてばかりいてはすすまない、人をかえるより自分が変わることのほうが簡単と気づいてもらうことが、リフレッシュにもつながればいいなぁと感じた。

     数年前まで、定期的に開催されていた主事の連絡会がここ1〜2年はおこなわれていないということで、その面でも地域の情報交換がじっくりとできたことは、有意義であった。

     たとえ隣り合った地域であっても、「地域性」は様々だとわかっていたつもりだが、今回各地域の話をきいたことで、あらためてそのことを認識した。同時に、20数地区ある地区福祉組織に関して「一体何ができるのか」ということを自問することにもなった。今社協として、やるべきことは何か?

     実務担当者は、本当に地域の様々なことを知っていて、いろいろな夢を描きながらそれに向かって事業を重ねているということを知り、大変心強く思った。共同募金で集めたお金を、できるだけ地域で有効に活用してもらうために、資金面での援助はなんとか継続をしていきたいと思いつつ、それ以外のサポートは具体的に何ができるのか、何をすべきか、あらためて考えるときにきたと感じた。

     あらゆる事業が、コミュニティセンターに委託されているために、現場の事務が煩雑になっていることをきくと、やはり地域のコミュニティセンターを本当の意味での拠点としたファミリーソーシャルワークを実現させたいという思いがさらに強くなった。それは、大きな夢ではあるが、地域を大事にするということを考え、コミュニティセンターに事業委託している関係機関、行政関係課等との連絡会(委託している側は、コミュニティセンターにどんな事業が委託されているかを知らない)は、なんとか実施してみたいと感じた。

     各課から事業ごとに分けて出されている補助金や委託費を、総額で地域に補助し、地域の選択でその地域で必要なものに配分していく・・・というのは、実現不可能に近い理想であるかもしれないが、柏崎独自のやり方としてもし実現すれば、「地方分権」の価値があると感じる。その面では、行政の担当職員から参加してもらったのは、大変よかった。今回の研修の成果第1歩として、連携をとりながら、ぜひ連絡会から実現させたい。

     コミュニティセンターが、ひも付きの事業ばかりで展開していくことはなかなか難しく、コミュニティビジネスを何かやりたいという声も多く聞かれた。また、さすがに地域の情報を良く知っているだけあり、その芽となるところをすでに育てに入っている地域もあった。その点の、情報収集や情報発信にも心を配って行きたい。

     震災の長期ボランティアに来ている人は、何か心に問題を抱えている人もいる・・・という話から、「病んでいるところにエネルギーがある」と和田さんが話してくださった。うまくいかないところは、つい後回しにしたり、手をつけたくない・・・と思うことがあるが、それは次へのステップであるということが、とても私の心に響いた。自分へのエールとして、うまくいかないところこそ、しっかりと時間を費やしてクリアしていこうと思った。

     また、住民を巻き込んだ地域づくりの手法ということで、地域でもワークショップをどんどん展開していけたらと思う。ワークショップの経験者やファシリテーターを増やしていくことにも、今後力をいれたい。もちろん、自分自身の技術もどんどん体験しながら磨いていきたいと、あらためて感じる時間であった。